火害(建築)
コンクリートは、火災により火熱を受けるとセメント硬化物と骨材とで、それぞれ異なった膨張挙動をし、コンクリート組は緩み、端部の拘束などで生じた熱応力によってひび割れを生じ、コンクリートが劣化、剥落(または爆裂)する。
火害の補修には、事前の調査が重要となる。まず、一次調査として「目視調査」「打音調査」等で梁・床のたわみ、ひび割れ、欠損(浮き・剥離等)を確認し、コンクリートの変色状況から受熱温度を推定する。二次調査として「リバウンドハンマーによる反発度試験」「中性化試験」「コンクリートコアによる圧縮強度試験」「鉄筋の抜取り試験(引張強度)」等を行い、はつり範囲、補強の有無等を検討する。
施工不具合
施工不具合は、新築施工時に起こった不具合が、その後、劣化につながったもの。多く見られるのは「豆板」で、コンクリートの材料分離、締固め不足、型枠下端からのペースト漏れ等が原因で粗骨材が集まってできた空隙の多い不良箇所を言い、通称「ジャンカ」とも言う。
「かぶり厚さ不足」は、中性化が進むにつれて、鉄筋の腐食原因となり、鉄筋腐食による鉄筋の爆裂、コンクリートの剥離・剥落等につながるケースも多々ある。2009年の「建築工事標準仕様書・同解説 JASS 5 鉄筋コンクリート」(日本建築学会)の改正から、新築においてもかぶり厚さが不足している場合、かぶり厚さを補修することになり、既存の構造物においても「かぶり厚さ不足」が注目される場面が多くなっている。
他に建築で多く見られる不具合としては、コンクリートの「充填不良」で、特に梁の下端にコンクリートが充填されていないケースが多々見られる。
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